アフリカのあたたかい心!美しく自然豊かな国 マラウイ共和国

  • 2019.03.31

今回は駐日マラウイ共和国大使館のバンダ特命全権大使にお話を伺いました。 大使は大学にて林業科学を専攻、大学教授や議員のご経験があり、その合間には農業もなさっていたそうです。 【マラウイ共和国について】 <基本情報> 位置:アフリカ大陸南東部 首都:リロングウェ 面積:11.8万平方キロメートル 人口:1,721万人(2015年) 言語:チェワ語、英語(以上公用語)、各民族語 宗教:人口の約75%がキリスト教、その他イスラム教、伝統宗教など (外務省HPより引用) ○マラウイ共和国の魅力は…?  マラウイは美しく自然の豊かな国。アフリカで3番目に大きなマラウイ湖が国土の20%以上を占める一方で、マラウイアンマウンテンなどの山々も連なり、国内の27の地区それぞれで異なる景色が見えることが魅力だそうです。  また、社会的には、男女比が2:3ということもあり、女性の地位も高いと教えてくださいました。初等教育は義務化され、性別に関係なく全ての子どもが平等な教育が受けられるよう配慮されており、実際に会社のCEOなどの高い役職に就く女性も多いようです。 【駐日大使に就任して】 ○来日して最も印象に残っていることは…?  大使に就任する前にJICAのプログラムで来日した際、東京都内を観光し、皇居を訪れたそうです。「天皇陛下にぜひお会いしたい!私はマラウイから来ました、日本が大好きですとご挨拶がしたい!」とガイドの方に訴えたそうですが、もちろんお目にかかることは叶わず…。しかし、日本では、駐日大使に就任すると、「信任状捧呈式」と呼ばれる、天皇陛下の面前での任命式があります。その折に、念願叶って謁見することができたのが非常に嬉しく感動的だったため、印象に残っているとのことでした。  大使は敬虔なクリスチャンであり、「あらゆることには可能性があり、それが実現するかはタイミングによる。もし上手くことが運ばずとも、それは時期が遅れてやってくるだけのことだ。神がYesとおっしゃる時がくれば、必ず叶うのだ。」という信念を象徴する出来事だったともおっしゃっていました。 ○大使としてのお仕事をするうえで必要なことは…? ・これまで築いてきた二国間の関係を維持し、さらに向上させていくこと ・両国が求めることをよく理解し、調整すること ・相手の話を静かに、かつ注意深く聞くこと ・テレビやラジオ、インターネットなどのメディアや、多くの人の話を通じて、偏りなく最新の情報を集めること といったことが求められるそうです。 【マラウイ共和国と日本】 ○二国間の共通点と相違点は…?  両国はとても美しく、平和で、非常によく似ていると感じます。どちらも法を遵守し、年配の方を敬うなど心優しい国民性であり、等しく充実した教育を受けた人的資源といった観点からも共通しています、とおっしゃっていました。  興味深いことに、実は言語の面、特に人名の発音にも同じものがあるそうで、「ハラ」「ムロオカ」など、日本で存在する名字は、マラウイの方の名字でも使われていると紹介してくださいました。(ちなみに、大使のお名前の「バンダ」は現在のマラウイ首相と同じ名字であり、日本で言う「鈴木さん」や「田中さん」と同じくらい多い名字だと教えてくださいました!) 他方で、マラウイも発展しつつあるものの、相違点としては現段階での経済力が挙げられるとのことでした。 ◯今後の両国の関係は…?  1964年から続く日本との関係の中で、問題は一つもなかったと大使はおっしゃいます。アフリカ諸国と日本が手を取り合って開催する、来年のTICADに際して、その絆はより強まっていくと信じていますとのお言葉をいただきました。

ノーベル平和賞輩出数は世界最多!多様性を重んじる国 南アフリカ共和国

  • 2018.12.31

ノーベル平和賞輩出数は世界最多!多様性を重んじる国 南アフリカ共和国 今回は駐日南アフリカ共和国大使館のトゥラニ・ロモ特命全権大使にお話を伺いました。 2018年は故ネルソン・マンデラ元大統領の生誕100周年にあたる記念すべき年です。 【南アフリカ共和国について】 <基本情報> 位置:アフリカ大陸南部 首都:プレトリア 面積:122万平方キロメートル 人口:5,602万人(2016年) 言語:英語、アフリカーンス語、バンツー諸語の合計11言語 宗教:人口の約80%がキリスト教、その他ヒンズー教、イスラム教など (外務省HPより引用) ○南アフリカ共和国の魅力は…?  南アフリカは文化的多様性を有し、自然の魅力にあふれる美しい国。10カ所の世界遺産があり、景観や人々、歴史、文化の融合によって、旅行者は感動的かつ唯一無二の経験ができるそうです。サファリの「ビッグ5」と呼ばれる、ライオン・バッファロー・ヒョウ・サイ・ライオンも多く見られるとのことでした。  また、南アフリカでは、過去に7人がノーベル賞を獲得していますが、そのうち4人が平和賞を受賞しており、これは世界で最も多い数字だと教えていただきました。 ◯記念すべき故ネルソン・マンデラ元大統領の生誕100周年を迎えて  南アフリカにおいて、彼は「南アフリカの父(マディバ)」と親しみを込めて呼ばれ、敬愛されているそうです。全ての人が対等に手を取り合って生きられるような、民主的で自由な社会の実現に力を尽くした彼の精神は、現在の国民の心の中にも引き継がれていると大使はおっしゃいます。  例えば、近年、女性や性的少数者の社会的な立場の低下が各国で問題となりつつありますが、南アフリカでは、彼らの権利は軽視されることなく、しっかりと尊重されているとのことでした。また、彼が生涯を通して行った教育支援は、今に至るまで子どもたちに平等な教育の機会を提供しているようです。  権力による抑圧に屈せず、正義のもとで闘い続けたネルソン・マンデラ元大統領は、当時の南アフリカに、そして世界に大きな影響を与え、さらに現代社会を生きる私たちも、彼の背中から学ぶことは数多くあるでしょう、と語ってくださいました。 【駐日大使に就任して】 ○就任の背景はどのようなものでしたか…?  看護師として活躍なさっていたお祖母様の存在が大きかったそうです。生前、奴隷制と植民地支配に対して恐れることなく立ち向かったアフリカの英雄たちの物語を繰り返し聞かせてくださり、当時はその重要性に気づいていなかったが、今となってはこのようなお仕事に携わる重要な契機となっているとのことでした。不幸なことに、アフリカの歴史は宣教師や冒険者といった征服者たちによって語られ、真のアフリカの姿・歴史が歪められてきてしまったのです、と力を込めてお話くださいました。  1985年、こうした状況と闘うことを決意して、アフリカ民族会議(ANC)に参加。残虐かつ非道で人道に対する罪と言われたアパルトヘイトに立ち向かい、ネルソン・マンデラ氏らが解放された1990年、光栄なことにANCから任命され外交の道に進んだとのことでした。 【南アフリカ共和国と日本】 ○二国間の共通点と相違点は…?  相違点より共通点の方が多いように感じます。古くから、”I am because you are.” (現地では ”Ubuntu”)すなわち、「あなたがいるから私がいる」「お互いさま」の気持ちを大切にしているという点においても、謙遜の精神が共通していることが分かると思います、とおっしゃっていました。  他にも、両国は世界の反対側でありながら四季がある点で共通しており、日本に美しい桜や富士山があるように、南アフリカではジャカランダの花やテーブルマウンテンが有名で、これらは両国の自然の美しさを象徴しています。両国民ともにスポーツを愛していて、ワールドカップなどのイベントを受け入れているという点も同じです、とたくさんの例を挙げてご説明してくださいました。  ただ一つ異なるのは、日本は公用語が1つしかないのに対し、南アフリカでは11もの言語が公用語になっているとのことでした。 ○今後の両国の関係は…?  両国の関係の歴史は、今年で108年を迎え、年月を重ねるごとにその政治的・経済的な結びつきは強まっています。日本にはこれまで国を発展させてきた力があり、南アフリカにはその力を学びたい若い世代が大勢います。来年日本で開催されるTICAD7やG20、ラグビーワールドカップなどを通じて、ますます良好な関係を築けると期待しています、とのお言葉をいただきました。

歴史と平和を重んじる国、リトアニアを再発見!

  • 2018.06.25

今回は駐日リトアニア大使館の大使ゲディミナス・バルブオリスさんにお話を伺ってきました。 大使はヴィリニュス大学で歴史学を学んだのち、リトアニア外務省に就職。当初は欧州関係の仕事をご担当になさり、フランスに赴任したと言います。また、UNESCOやNATOでの勤務経験もあるそうです。   外交官にとって、重要なこととはなんでしょうか? 謙虚であること。自分自身をコントロールし、明朗さを保つこと。そして相手と良いコミュニケーションをとることです。外交において友好は重要です。どのように相手にアプローチし信頼をいかに獲得するか、これが今後の国際関係の鍵を握っていると言っても過言ではないでしょう。 また、あらゆる分野の基礎的な知識をしっかりと把握し、その知識を生かして様々な議題に取り組んでいくことです。外交官の仕事をしていると、朝は歴史について議論し、昼は経済に関するミーティングをし、夜は文化について紹介するということが日常茶飯事です。1日の間に様々な話題に対して、一国の代表として意見しなくてはなりません。 外交官という仕事では様々な困難に直面します。しかし一方でこの困難に立ち向かい解決策を見つけていくことがこの仕事の醍醐味でもあるのです。そして外交における解決とは、平和に結びつきます。平和に参画できることは素晴らしい経験だと思います。   リトアニアの魅力とは? 美しい景観です。豊かな自然と海、そしてヴィリニュスの旧市街は本当に魅力的です。リトアニア人は歴史や伝統を大切にする国民で、国内では音楽祭などのイベントが頻繁に開催されます。なお、リトアニアの多声音楽はユネスコの無形文化遺産に登録されています。   ヨーロッパにおけるリトアニアの役割とは? リトアニアはヨーロッパの中でも、特にEUによる統合を強く望む国だといいます。大使はEUの統合が平和の実現にとって重要であり、統合を推進するためヨーロッパ内でしっかりと主導権を握っていくことの重要性について語ってくださいました。ちなみに、2013年にリトアニアはEU議長国に選出されており、EU内でのリーダーシップに対する意識がかなり強まっているようです。   リトアニアと日本の関係は? リトアニア人は比較的開放的な国民で、日本人のように内気ではありません。総じて友好な国民性があると思います。日本と比べた際に、伝統や文化を重要視しているという点は共通していると言えるでしょう。両国関係についてお話を伺うと、リトアニアから日本への食品の輸出が盛んとのことでした。それから、最近リトアニアでは日本の文化が人気で、特に合気道や歌舞伎に興味を持つリトアニア人が多いようです。今後の関係について伺うと、観光業が発達し両国間での人の往来が活発化すると良いとのことです。 加えて、リトアニアと日本をつなぐ人として杉原千畝の存在が挙げられます。大使にお話を聞いたところ、杉原千畝は日本人だけでなく、リトアニア人にとっても誇りとなる人物だそうです。人道を守り平和に貢献した日本の偉人の偉大さを感じました。   リトアニアは独立を宣言してから今年で100年経ちますが、何かイベントはありますか? 7月の初めに、リトアニアで大きなダンスフェスティバルがあります。日本では4月にサントリーホールで交響楽団による演奏会がありました。また、リトアニアの歴史に関する本が和訳され日本で出版されることが決定しました。『リトアニアの歴史』という本です、よかったら読んでみてください。   日本の若者へメッセージをお願いします! 海外に行ってたくさんのことを学んでください。そして日本の歴史と文化を誇りに思ってください。この二点が世界で活躍していく上で重要になるとのことでした。      

魅力あふれる国、チェコ共和国から見た日本

  • 2018.06.18

チェコ共和国は、中欧の内陸国です。中世の街並みが残り観光を楽しめるほか、優れた芸術や音楽を堪能することもできます。魅力的な国、チェコ共和国の政府観光局日本支局長のマルチナ・ツィールコヴァーさんにお話を伺ってきました。   マルチナ・ツィールコヴァーさんは、2016年4月にチェコ政府観光局日本支局長として就任し、現在も支局長として日本とチェコの関係発展に貢献していらっしゃいます。大学では芸術と人文科学を専攻し、芸術や観光の分野に興味を持たれたことが、この仕事に就いたきっかけだと言います。今までに日本には13歳の時に音楽ツアーで歌いに来て以来、計四回訪日していたそうです。日本に対しては「安全で清潔で楽しい国」という印象を抱いていたと言います。   チェコという国とは? 概要 面積 78866㎢ (日本の約5分の1) 人口 1086万人 首都 プラハ 言語 チェコ語   ーチェコの魅力を教えていただけますか? チェコは芸術的な国です。特に音楽は世界に誇ることができるチェコの文化です。 日本ではチェコというとプラハを想像しがちですが、チェコには他にも魅力的な都市が沢山あります。具体的には、画家アルフォンス・ムハが活動拠点としたミクロフ、作曲家ベドジフ・スメタナの生誕地であるリトミシュルなど、モラヴィアの美しい街々がありますね。 ーチェコと日本の共通点は何ですか? 日本とチェコの共通点としては、両国ともに伝統的な芸術があることです。 類似点としては、両国ともに文化が発達していることが挙げられます。あと、保守的な国民性も似ていますね。それから、国教がなく国民の多くが無宗教であるという点も同じです。 逆に相違点としては、日本が島国であるのに対しチェコは四方を大国に囲まれた内陸国であること、チェコだけが共産主義を経験していることが挙げられます。この地理的・歴史的な違いは大きいですね。   チェコと日本の関係性とは? ーチェコと日本の関係性はどのようになっていくと思いますか? 今後も両国関係が進展していくことを望みます。 日本が、チェコをはじめとするヨーロッパ諸国において経済的な影響力を保持し続けるためには、まず長年自負してきたアジア経済No.1という認識を改めるべきですね。中国や韓国の実力を直視し、その上で貪欲に持続的な経済発展を日本も目指していく必要がありそうです。   ー日本とチェコが経済協力を進めていくために重要なことは何でしょうか? 一般的に、ビジネスをする上で大切なのは「誠実でまっすぐであること」だと思います。 日本人は内気で意見を十分に伝えられないことも多いですが、ビジネスに置いては自分の言いたいことをしっかりと相手に伝え、対等な立場に立って交渉することが非常に重要です。実際、仕事上最も苦労することは、日本からのゲストが自分の意見をしっかりと相手に伝えるよう誘導することですね。そして、日本人がヨーロッパ人のように自分の意見をハキハキと言えるようになったのを見るのが、仕事の一つのやりがいでもあります。   日本の若者にメッセージをお願いします。 勇敢になってほしいです。そして好奇心旺盛であってほしいと思います。 特に日本の女性にたくさんのことを学んで社会で活躍してほしいと思っています。日本を飛び出して外国に行ってみてください。そうすれば、勇敢になる方法が身につきます。「もっと好奇心旺盛になり物事に勇敢に挑戦すること」、この能力は世界を舞台に活躍する上で非常に重要なことです。日本人は内気で保守的ですが、自分の殻を破って、勇敢になることがグローバル社会では求められています。日本を飛び出して、世界を実際に見てみることが、「勇敢になること」の近道だと私は思っています。

レオン・マラゾーグ駐日コソボ大使「独立10周年を迎えて。」

  • 2018.05.08

コソボ共和国概要(外務省HPより引用) 人口 180.5万人(2013年,コソボ統計局) 国土面積 10,908平方キロメートル(岐阜県に相当) 首都 プリシュティナ 言語 アルバニア語(アルバニア人),セルビア語(セルビア人)等 宗教 イスラム教(主にアルバニア人),セルビア正教(セルビア人)等 政体 大統領制 通貨 ユーロ 時差 -8時間 (夏時間あり) 行政政府 共和制 今年独立10周年を迎えたコソボは,旧ユーゴスラビアで最も開発が遅れた地域と言われている。主要産業は農業であり、小規模な家族経営が大半。未だに自立的な経済構造を有していなく、外国からの援助に依存している。現在,恒常的な貿易赤字と税収の不備,電力不足,若年層を中心とする大量の失業など課題が山積している。それと同時に、同地域内の他国よりも経済成長、事業を行う上での安心、メディアの自由、ネットへのアクセスに向かっている。しかしながら、バルカン半島にあるこの若い国には、多くの魅力的な長所があることもまた事実である。同国はUNESCOの世界遺産登録された遺跡を有し、その美しい自然は多くの観光客を魅了している。 駐日コソボ大使になるまでに道のり レオン・マラゾーグ大使は、当該職以前、NGOやシンクタンクなどで働いたり、政治学の研究者として大学で教鞭をとっていた。成功を収めた偉業の一つとして、選挙法の改正において、選挙された役人の説明責任を向上させた。コソボのような若い国は、少人数の外交官を有しており、外交政策を専門とした適任と思われる個人に大統領から大使職が任命される。このため、マラゾーグ大使のような元々外交的な役職に就いていなくても、大使職は優秀な民間人から選らばれることもあるという。同国外務省はまだ10周年を迎えていない。 大使に就任して以来、最も楽しかった出来事と最も大変だった事とは? 大使にとって一番楽しいことは、毎日様々なことを経験することだと言う。毎日大使として、コソボの事を様々な機会で、人に話すのが一番楽しいという。コソボは日本の岐阜県程の面積しかないが、歴史的建造物やワインなど沢山の魅力がある。他方で、最も大変だった事は、今ではだいぶ理解出来るようになったが、日本人と話す際に文脈を読むのが最初は非常に苦労したという。 コソボの魅力は? 大使自身意識していたのが、コソボのブランドは未だに戦争に付随していて、我々はコソボはそこから長い道を歩んできたということを伝えるため、出来るだけ多くの日本人と接する必要があるということだ。同国は非常に若く、小さい国だが、沢山の歴史的遺産や、文化的な魅力、そして若者が非常に多く、ストリートカルチャーも盛んである。日本とコソボの類似点については、両国が共に有しているいくつかの文化的伝統がある。コソボで発見された伝統的案工芸品の一つは日本の旧石器時代の埴輪に似ている。武士道もコソボの高知人の旧規範に似ていて、他にも、いわゆるちゃぶ台で食事することや、靴を脱ぐ習慣、高品質な温泉などがある。 独立後10周年を迎えて コソボは今年2018年を以て、独立後10周年を迎える。大使は、これからのコソボのヨーロッパにおいての立ち位置をどのように見ているかと問われると、コソボはEUの参加基準を徐々に満たしていると答えた。長期間に渡ることになるが、財務状況の改善などを通して達成できるだろう。そして、最後に「このまままでいい。なぜなら、もともと競争的で優秀なのだから」という学生へのメッセージも頂戴した。

今こそ、未来を見通して自身の未来を創造せよ(アジア生産性機構(APO)事務局長)

  • 2018.02.11

1.今回のインタビュー対象者に関して   名前:サンティ・カノクタナポーン(Santhi Kanoktanaporn)事務局長 経歴:英国サンダーランド・ポリテクニックで化学博士号、サシン経営大学院で経営学修士号を取得。2016年9月に第11代APO事務局長に着任。40年以上にわたる生産性向上の取り組みや戦略的国際開発プログラムの推進に携わってきた経験を基に、現在および今後の課題に対処していかねばならない加盟国をサポートすべく、APO事務局にて組織改革や戦略的プランニングなどの一連の改革を進めている。 前職では、タイ生産性本部(FTPI)の理事としてタイ国工業省の生産性向上マスタープラン策定に携わる。FTPI以前には、タイ工業省管轄の非営利団体Foundation for Industrial Development for the Management System Certificationの代表を務める。そのほか、タイCB協会(CB Association of Thailand)の会長、米国商工会議所のタイ国担当官、シスメン社 (Sysmen Company Limited) のマネージングディレクターを歴任。 2.APOとは? アジア生産性機構(Asian Productivity Organization:APO)とは、1961年5月11日に設立された、日本に事務局を置く、アジア太平洋地域における社会経済発展に寄与すべく生産性向上に特化して設立された国際機関である。 2018年1月現在、日本、タイ、シンガポール、台湾といった20の国・地域が加盟している。戦略的重点分野として、①各国生産本部の強化及び中小企業振興・地域発展の促進②イノベーション主導の生産性向上③緑の生産性の普及が挙げられている。 1961年という年は、OECDが設立された年でもある。細かには違えど、両者共に、加盟国の経済成長に寄与することを目的として同年に設立された。そして、OECDは地域別とは関係なく先進国を中心に規模を拡大してきた一方で、APOはアジア太平洋諸国を中心に規模を拡大してきた経緯がある。つまり、APOとは、まさにアジア太平洋地域で生産性向上に特化したOECDのアジア版と言える国際機関である。 3.デジタル時代における「スマート・イニシアチブ」 我々は、絶え間ない技術革新によりあらゆるモノ・コトが変化し、それも急速に変化する黄金時代(デジタル時代)にいる。サンティ事務局長体制の下、APOではそのような時代に加盟国が乗り遅れないように、最新技術を活用した「スマート・イニシアチブ」の推進を新たに図っている。具体的には、以下の3つのイニシアチブがある。   ①スマート・インダストリー: 第4次産業革命がもたらすAIなどの技術革新によって効率化される工業分野のこと。 ②スマート・アグリカルチャー: 労働集約的産業である農業のデジタル化・機械化を行い、効率的なデジタル・ファーム(筆者注:全ての農作業がデジタル化、機械化された農場を指す。)の実現。 ③公共セクターにおけるスマート化: 国もしくは市町村レベルを問わず、あらゆる行政などの公共セクターのスマート化・デジタル化を図ること。 4.なぜ日本に本部があるのか?   政府間協定により設立された国際機関であるAPOの本部、正確には、事務局(筆者注:国際機関において、事務局は本部に相当することが多い。)は、実は日本の東京にある。その理由は、非常に単純で、日本生産性本部が中心になって設立に動いたからである。 しかしながら、この質問はやや奇をてらった質問のように思われるかもしれないが、これは極めて稀なことである。なぜなら、日本には、各種国際機関の日本事務所・アジア事務所があっても、国際機関の本部が少数しかないからである。 例えば、APOの他に、国際熱帯木材機関(通称:ITTO)や北太平洋漁業委員会(通称:NPFC)などがある。参考までに、日本発祥の柔道の国際組織である国際柔道連盟の本部は実はスイスにあり、その事務総局も日本ではなく、フランスのパリにある。 5.サンティ事務局長から将来グローバルに活躍したい若者へのメッセージとして   『若者よ、未来を見通す能力(Foresight Capability)を持て。』 この”Foresight Capability( 未来を見通す能力 )”という言葉は、インタビューの中で頻繁に出てきた。それ程、サンティ事務局長は、これからの時代に未来を見通して戦略を立てる能力を持つことを非常に重要視している。 その理由として、サンティ事務局長は、「国際機関に限らずどのような組織においても、これからは、AIなどの技術革新によって、人間の仕事の多くも代替されていくような時代に突入するからである」と語った。 また、「先見の明、それは、時代を先取りするために必要なのである。5年後、10年後の未来の世界なんて誰にも分るはずがないと思われるかもしれないが、だからこそ、(筆者補足:未来を見通す能力(Foresight Capability)が他人より少しでも優れていれば、)何が起きるか分らない世界において、今、手に入る情報をもとに、未来を見通して戦略を立て、自分たちの未来を創造することが重要なのである(Shape your own future)。」ともサンテイ事務局長は最後に語った。

異色の経歴、チャールズ公使(駐日パラオ共和国大使館)

[outline] 1.パラオに関して 人口:21,097 人(2014 年) 国土面積:204 平方マイル(328.14 平方キロメートル) 首都:マルキョク(2006 年 10 月、コロールより遷都) 言語:パラオ語、英語 宗教:キリスト教 政体:大統領制 通貨:米ドル 時差:なし(日本と同じ) 行政政府:民主制。 その他:米国と自由連合協定を締結している。国連加盟国。 パラオは,フィリピンのミンダナオ島の西、グアム島の南西に位置している。また、観光業や漁業が盛んである。歴史的起源は、今から 2000 年前にフィリピン・ インドネシア方面から渡来してきたという説が有力である。興味深いことに、日本とは深い関係を持つ国である。なぜなら、第 2 次世界大戦中に日本軍に占領されていた歴史もあるからである。 2. チャールズ公使~異色の経歴~ チャールズ公使が外交官になる前は、なんと元々は空港の消防士をしていた。そんな公使のバックグラウンドを紐解いていきたいと思う。 学生時代はアメリカ、ロサンゼルスの大学でコミュニケーション学を専攻した。なぜコミュニケーション学を専攻したのかについては、最初はプロサッカー選手を目指していたが、何故かは分からないが、コミュニケーション学部を選んだということであった。卒業後も現地でテレビ制作会社に勤務をした後、故郷パラオに戻り、空港の消防士になり、最終的にマネージングディレクターまで歴任した後、外交の世界に入ったという。 3. なぜ外交の世界に入ったのか?外交の世界の醍醐味とは? それは、” 自分のキャリアを変えたかった。挑戦したかった。”からであった。外交の世界における醍醐味は、なんといっても刺激的な、かつ、常に政治に触れることのできる日々だという。例えば、日本人の礼儀や日本独特のプロトコル(国際礼譲)は非常に厳しいもので、天皇と話した時は非常に刺激的だっという。 4. 外交官に必要な能力とは? 経済的・政治的問題に対処できる知識・能力が必要。 それだけでなく、コミュニケ―ション能力も必要だが、外交の世界では、常にその国におけるハイクラスの人たちと話す機会がより多いので、社交性というのも必要となってくるという。 ”日本人外交官とのコミュニケーション能力の違いは?”という質問に対して、それは、”小国だったら、電話一本で色々調整できるが、日本のような大国だと決定に時間がかかる”という外交の実態も話してくれた。 5. チャールズ公使にとってのパラオとは?(一言で表すと) ”ヒト、海、そして環境の良さが自慢” 例えば、ヒトに関して、”パラオ人は素敵で尊敬できる人が多い”点は、日本も同様である。ただし、若者という点では課題がある。それは、最近では、パラオ人の若者がアメリカなどの欧米に留学し、そこで、そのまま留まって仕事をするケースが増えているという。そのため、どのように海外に行った学生をパラオに戻ってくれるようにするかが今後の課題だという。